【金谷ホテル歴史館( 旧 金谷カテッジイン)】金谷ホテル&日光インバウンドの原点

日光金谷ホテルに泊まった(またはこれから泊まる)ので、もっと金谷ホテルの歴史を知りたくなった。金谷ホテルの原点を体験したい。」
「伝説の旅行家イザベラバードさんの足跡をたどりたい」

金谷ホテルの歴史は、日光の歴史。
興味をもった方にオススメなのは、「日光金谷ホテル歴史館(金谷カテッジイン)」です。

いまの金谷ホテルのもとになった宿泊施設が、歴史資料館として見学できます。

金谷ホテルから約1キロほど離れた場所にあります。

金谷ホテルだけでも十分なネタがありますが、原点を知るならここは外せません。

ここがオススメ

  1. ヘボン博士やイザベラバードが泊まったサムライハウスを見る
  2. スタッフによる解説付きガイドがオススメ
  3. カフェが併設

基本情報

基本情報(グーグルマップ・営業時間・口コミなど)

公式サイト 日光金谷歴史館

駐車場 となりにある金谷ホテルベーカリー カテッジイン・レストラン&ベーカリー の駐車場を利用します。

入場料もレストランの受付で支払います。

所要時間 1時間〜

お楽しみポイント

ヘボン博士やイザベラバードが泊まったサムライハウスを見る

イザベラバードさんが泊まった部屋

イザベラバードさんが泊まった部屋

金谷カテッジインは、金谷ホテルの創業者 金谷善一朗(かなやぜんいちろう)が明治6年にオープンした宿泊施設(外国人向け民宿)です。

 

金谷善一朗の先祖は、日光東照宮に勤める楽人(がくじん)でした。

楽人とはチャラい感じでいえば、バンドマンですね。

和っぽい感じでいえば、雅楽(ががく)という、日本古来からある舞台芸術の奏者。

参考 雅楽 GAGAKU|文化デジタルライブラリー

 

日光東照宮の楽人は、いまの日光東照宮の建物ができた翌年に結成されます。

メンバーは最初22人。

3代将軍 徳川家光は、祭典もキラキラ豪華な日光東照宮にふさわしいものしたかったのでしょう。

 

善一朗含む金谷家は、笙(しょう)という楽器の奏者でした。

参考 笙(しょう)|文化デジタルライブラリー

※笙についてわかりやすい動画 笙の宮田まゆみ 福島で雅楽に親しむ音楽祭(YouTube)

 

 

金谷ホテルの創業者、金谷善一朗は音楽家だったのです。

しかしある有名な先生がきっかけとなって、外国人向け宿ドリームに火がつきます。

 

その先生とは、ヘボン博士。

 

 

時代は明治3年。

いくつかのご縁がきっかけで、ヘボン博士が金谷善一朗の家に泊まることになりました。

このときは宿泊施設ではない、ふつーの家ですね。

 

ヘボン博士って、ローマ字 ヘボン式を考えたのが日本ではもっとも有名です。

しかしその他にも・・・

  1. 日本の近代医療(医者です)
  2. 大学教育(ヘボン塾がもとになってできたのが明治学院大学、フェイス女学院)
  3. キリスト教の布教

などなど、大きな影響をもたらした偉人です。

 

善一朗のおもてなしで日光を楽しんだヘボン博士は言います。

 

ヘボン博士「これからめっちゃ外国人が日光にくるよ。ゼンイチロー、宿をやってみなよ!」

善一朗「マジ!?」

ヘボン博士「東京にいる外国人仲間にもめっちゃ宣伝するからさ!」

善一朗「そりゃドリームだわ!」

※会話はイメージです

 

いま日本の観光において「外国人に旅行にきてもらおう」運動が盛んです。

その原点が日光にありました。

ヘボン博士が泊まってから3年後の明治6年。

善一朗は外国人専用の旅館(外国人が住むことや営業が認められた居留地以外で初)「金谷カテッジイン」をオープンします。

 

ヘボンさんや善一朗の読みどおり、お客はしだいに増えはじめました。

 

宿はのちに増築。

もともと武家屋敷(江戸幕府から与えられた)だったこともあり、サムライハウスと呼ばれました。

 

金谷カテッジインに泊まったビッグネームといえば、英国人の旅人イザベラバードさん。

ヘボン博士の紹介で金谷カテッジインに泊まり、のちに「日本奥地紀行」を出版。

旅の様子を細かく魅力的に紹介され、海外でヒット。

世界に日光や金谷ホテルのすばらしさを伝えた、いま風にいうとインフルエンサーです。

 

 

金谷善一朗、ヘボン博士、イザベラバード。

この3人は、金谷ホテルの発展のため活躍したビッグスリーです。

日光金谷ホテルのロビーには3人の写真が掲げられています。

金谷ホテル ロビーのビッグ3

金谷ホテル ロビーのビッグ3

スタッフの解説付き案内がオススメ

施設のスタッフが解説付きでガイドしてくれました。

写真撮影も案内板にNGと書いてありましたが、OKいただきました。

「いまはどんどん発信していただいたほうがよい」とのこと。
※毎回OKとは限りませんので、写真撮りたい方は相談してくださいね

平日でほかに人がいなかったらよかったのかも。

わたしのあとのグループはノーガイドだったし。

 

スマートフォンで使える音声ガイドもあります。

音声ガイドはいつも利用する派なので、使う気満々でしたが、今回はまったく出番なし。

生の声で聞くガイドが最強でした。

 

親切なスタッフのおかげで、最後まで興味をもって見学できました。

ガイドの方がすばらしいなと思ったのが「ほんとうにこの仕事が好きなんだな」ということ。

「すごいですよねー」とか、スタッフ自身がうれしそうに解説してくれるので、こっちも楽しくなります。

スタッフが何人いるかはわかりませんが、間違いなくエースだと感じました。

グーグルで口コミなどを見ても「スタッフの解説がよかった」との声が多く見られます。

金谷ベーカリーが併設

 

もう少し詳しい情報

ブラタモリ「日光」でさらに人気に

2015年12月の放送後、めっちゃ反響があり、来場者も増えたそうです。

 

まずブラタモリを見るのがてっとり早いと思いきや・・・

2019年9月時点で、過去の放送が見られません。

NHKオンデマンド などの見逃し配信もありますが、1話前まで。

DVD、早くでてほしいです。

 

いま手軽に見られるのは、本だけ。

アマゾンで購入できます(電子版は今のところなし)。

ブラタモリ 5 札幌 小樽 日光 熱海 小田原

創業者の孫が書いた本が詳しい

その名も金谷カテッジイン物語

スタッフの案内のおかげで楽しめまして、もっと知りたいと思ったら、併設のレストランで販売されていて購入。

著者の申橋弘之(さるはしひろゆき)さんは、創業者 金谷善一朗の孫にあたり、金谷ベーカリー(金谷グループのパン屋)の社長です。

大手出版社が出しているからか、編集の質が高く読みやすかったです。

この記事を書くにも参考にしました。

イザベラバードさんの本

マンガは入門編としてよいです。
1巻と2巻で日光が登場します。

ふしぎの国のバード(コミック)

 

イザベラ・バードの日本紀行

世界でヒットされた伝説の作品。

描写が日本人以上に細かくてびっくり。

 

オーディオブックでは音声で聞けます。

日光は2巻(金谷カテッジインや日光東照宮が登場)と3巻(奥日光 湯元温泉)。

新訳 日本奥地紀行 巻2 旅の始まりと日光東照宮

新訳 日本奥地紀行 巻3 湯元・日光と鬼怒川河谷の旅

車での移動が多いわたしはオーディオブックで聞きました。