なつかしいものに心が引かれる理由

世の中はなつかしいものばかり

映画、写真、日本画などを見るとき、なつかしさを感じるものはなんとなく好きなものが多い

 

これ、不思議に思っていました

たとえば自分でなつかしい、いい感じの写真が撮りたいと思ったとき、あれ、そもそもなつかしさってなんだろうという壁が立ちはだかります

なつかしさの謎

 

インターネットで調べると、かんたんなことはわかっても、まだなっとくできない

それで本を何冊買ってみて、いちばんしっくりきたのが

なつかしさの心理学: 思い出と感情

です

 

本にはいろいろ書いてありまして、感じたことを少し取り上げます

 

どんなときになつかしさが生まれるか

情報に何度もふれて、時間がたつと生まれる

情報は実際に体験したものでも、テレビのイメージなどでもいい

 

ただテレビとかで縄文時代をたくさん見たとしても、なつかしいとは思わないです

わたしの場合はなつかしいと思えるのは明治ぐらいまでかな、それ以上前だと実感がわきにくいので、脳が心地よさを感じないのかも

ちなみになつかしいは”なつかし”からきていて、”なつく”というのは親しみを感じるという意味があります

どうしてなつかしさがここちよいか

脳が関係しています

脳にとって新しい情報ではなく、すでに片隅とかに残っている情報にふれるので、すらすらはいってきて、なんかいいなと感じる

 

心理学では「接触回数が多いほど人やものを好きになりやすい」という法則があるそうですね

なつかしさと関係がめっちゃ深そうです

旅や観光となつかしさの関係

村上春樹さんの旅論で、個人的に好きなやつ

人の心の中にしか残らないもの、

だからこそ何よりも貴重なものを、

旅は僕らに与えてくれる。

そのときは気づかなくても、

あとでそれと知ることになるものを。

もしそうでなかったら、

いったい誰が旅行なんかするだろう?

もし僕らのことばがウイスキーであったなら」 より

旅のよさはあとからじわじわくるっていうのがポイントと感じます

旅しているときより、むしろあとから味わう旅のほうが長いかもしれない

旅は日常と異なるので、日常よりも記憶に強くのこりやすい

そして時間がたつほどに、味わいも深くなる

 

旅はなつかしさそのものですね

脳的にいえば、あとでなつかしさと心地よさを感じるために旅をするみたいな感じ

 

時間がたつほどなつかしくなるので、なつかしさは未来よりも過去のものであるほど発動しやすい

つまり歴史があるほどよいので、観光地にとっては歴史はやっぱり強み、どう活かすかがポイントですね

商売となつかしさ

脳に心地よいので、もちろん商売としても利用され、なつかしさは大量生産されています

知らないうちに、映画やテレビからなつかしさビームを食らいまくっています

 

もう少し調べてみたいと思っています